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怒髪天・増子 物申す 第二十六回

Is0n2397_3 今回も引き続き増子がニュー・アルバム『プロレタリアン・ラリアット』の楽曲解説を論じます。我々、労働者たちの怒りの一撃を代弁してくれます!

■ M-3「マン・イズ・へヴィ」
モチーフは寅さん。
日本語と英語がゴチャマゼになったような、よくあるジャパニーズ・ロックの表現方法がどのくらいトンチンカンか、よく分かる歌詞に仕上がった。
パッと聴くとカッコイイ、よく聴くと寅さんでアホらしい。
この仕掛けは、日本語英語のゴチャマゼ・ロックに対する当てこすり。
このくらいアホらしい歌詞が一瞬かっこよく聴こえるマジックもあるんだから、ちゃんとロックを聴くときは歌詞を見ろ、と言いたいね。
この曲には奇妙なフレーズがいっぱい入っているから、ちゃんと聴いてみて。
寅さんって、最初からフラれて、出て行って、帰ってくるのが分かっているのに、それでも映画を見てしまう。
日本男児の姿、「顔で笑って心で泣いて」という良さが全部入っているもんな。
素晴らしい映画だよ。
まぁ、寅さんはメチャクチャだけどね。
腕一本、口八丁で生きて、全国を回っている姿。最後には身を引く男の美学。素直になれない男。
こういう人、いるもんなぁ。憧れる。
男の美学、自分なりの美学を、貫き通す姿はかっこいい。例え人から見て滑稽でも。
なにしろ「女の子に嫌われたくない」という若い男子が増えている。
まだ「女の子たちに好かれたい、みんなに好かれたい!」ぐらいならアグレッシブでいいけどね。
「みんなに嫌われたくない」ばっかりなんだから。情けない。
逆に「みんなを好きになる、みんなを嫌わない」というぐらいの姿勢を持てないものかねぇ。
寅さんみたいに、自分の損得だけじゃなくて、自分の美学に則って生きていく姿を見てほしい。
損することのほうが多いんだろうけど、「まいっちゃったなぁ」と頭をかきながら帰っていく姿に救われるだろう。

■M-4「全人類肯定曲」(アルバム・バージョン)Is0n2409
これは、前回も言ったけどみもふたもない曲だ。
前回のツアーで何箇所か一緒に回ったフラワーカンパニーズと話してて。
フラカンには「深夜高速」という名曲があるんだけど、その中の歌詞に「生きててよかった」というフレーズがある。
あの曲を作ったあと、フラカンは「もうこれ以上歌うことがない」って、すっごい行き詰ったんだって。
それで、俺も、「これを歌ったら言うことが何もなくなる!」と思えるような曲を作ろうと思ったんだよ。
そんな風に行き詰ってみたくて。
だから一言、「生きてるだけでOK!」。
でも、結果的にぜんぜん、行き詰らなかった!
俺、まだいっぱい言いたいことあったんだよな。
けっこう俺は、細かいこと言いたい太刀だからね(笑)
この曲は、誤解も覚悟で作った曲。
24時間テレビみたいな、平和、愛、世界みたいな受け止められたらどうしよう、と思って細心の注意をはらった。
だからこそ、「生きてるだけで」のあとに「OK!」。
「OK」をつけて軽くしておかねば、と。
さらに「まァ、イロイロあるケド」をつけておけば、誰も反論はないだろう。
アルバムでは、シングル・バージョンと違う。
初回盤は、お客さんのコーラスが入っている。
通常盤は、管楽器入り。RCサクセション風に仕上げた。

 

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